スタディスト開発本部の「胸を張れる組織」にむけた取り組みの振り返りと今後
こんにちは!スタディストでエンジニアリングマネージャーをしている zuckey です。最近しずかなインターネットで食べ物の話を書いていたら、ポジティブなフィードバックをもらえて小躍りしています。
この記事は、スタディスト Tech Blog Advent Calendar 2023の24日目の記事です。
さて、今回はスタディスト開発本部で掲げてきた「胸を張れる開発組織」という標語について、設定した当時の想い、1年弱の取り組みの振り返り、そして来期以降の挑戦についてご紹介します。
## “胸を張れる開発組織”
期初の2023年3月に掲げた標語です。
スタディストは、今年で10年になったTeachme Bizという事業を根幹におきつつ、チェーンストア向けのハンクラなど、今後マルチプロダクトで事業を展開していく方針を定めています。
プロダクトが増えるということは開発するメンバーも増えるということになります。単に頭数が増えて組織が膨張するのではなく、意志を持って拡大し、それを見越して備えたい、と考えています。
そのためには既存の良い文化を引き継ぎつつ、理想とする組織を定義し、それに近づくための行動をとりたいと考えました。
そこでまず定義されたのが目指すべき姿「胸を張れる開発組織」です。
## 胸を張れる開発組織の定義
以下のように定義しました。
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###「成果で語る」
ユーザーの行動変化に目を向け続けよう。作っただけでなく、使われることを重視しよう。計測して、結果を振り返って次に活かそう。
顧客に良いサービスを提供して頼れるヤツらだと思ってもらい、LTVの最大化に貢献しよう。
成果のために泥臭いことにも向き合おう。
###「ものづくりにこだわる」
仕事を面白がろう。技術的に新しく、難しくておもしろい。関わるプロダクトが魅力的でおもしろい。
内部品質、設計にこだわろう。変更に強く、早く試しやすいものづくりをしよう。
### 「進化的開発組織」
自律と調和のバランスをとろう。
ルール・全体条件はいつでも変えられる。プロセスを進化させ続けよう。
変化は常に現場で起きる。みんなで仲間集めしよう。
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また、”胸を張れる”という言葉については、なんとなくうまくいっているっぽいという状況を脱却して、自分たちの強みに自覚的になりたい、という想いも含まれています。
## 今年特に取り組んできたこと
今回ピックアップしておきたい施策は以下です。
- 価値別チームの組成
- ゴキゲンチャレンジ
- テックブログ月間などのアウトプット活性化
### 価値別チームの組成
これまでは各開発チームがロードマップの項目を優先度の高い順から消化する、プロジェクトチームになりがちでした。
そのため、開発したものが顧客に意図通り使ってもらえ、アウトカムに繋がっているのか、ということについて深追いすることが難しくなっていました。
また、リソースを最適化させたアサインになるので、例えば、昔Aチームが担当したコンポーネントに対して、時を経てBチームが機能追加するということもありました。結果として、各チームが開発したシステムにたいしてオーナーシップを持ちづらい構造になっていました。
ユーザーの行動変化に目を向け続けて成果で語るためには、まずはチームがどの分野についてオーナーシップを持つ必要があり、プロダクトディスカバリーから開発、顧客に届けるところにまで責任を担うチームを作りたいと考え、「価値別チーム」というものを組成しています。(詳しくは明日のアドベントカレンダー記事でCTOの佐橘が書いてくれます!)
スムーズな運営の移行のために、メンバーの目線を合わせるべく輪読を行うなどの活動をしています。
実際にあるチームでは利用状況の計測や分析についての知見も溜まってきています。こういう動きを増やしていきたいです。
### ゴキゲンチャレンジ
業務時間の10%を通常業務以外の取り組みにもつかえる権利が与えられる取り組みです。(詳しくは以下の記事をご覧ください。)
重要非緊急なものに時間を割くことができ、技術的な深掘りをする、プロダクトのちょっとした気になりポイントを修正する、など「ものづくりにこだわる」タイミングを意図的に作り出しています。
また、課題発見から解決までを担当できることは、仕事を面白がるということに繋がります。
10%という制約の中で成果をあげるために模索することで、工夫が生まれたり、既存の仕組みにとらわれない挑戦ができたりしています。
限られた時間で小さな成功の積み重ねから大きなムーブメントになっていくよう、ゴキゲンチャレンジを活性化させる施策も引き続き打っていきたいです。
### テックブログ月間など、アウトプット活性化
眼の前の業務をしていると、個人の仕事を振り返るタイミングは意識しないとさほど多くありません。アウトプットは辿ってきたプロセスの言語化です。どこが工夫ポイントだったのか、ということを再認識して面白がれるポイントを見つけることに繋がります。
また、そういったアウトプットに対して社内外からポジティブなフィードバックをもらえることは自分の業務やそのプロセスについての自信に繋がります。
テックブログ月間や、アドベントカレンダー、月次のまとめ記事などの施策をすることで意識的にアウトプットの量を増やすということをしてきました。
また、社内の勉強会も引き続き盛り上がっており、いきなり社外はちょっと、というメンバーでもアウトプットの機会を持てるようにしています。
一方で、アウトプットをコンスタントにする人は限られています。(僕自身もそこまで多くないので反省点があります。)
こういった動きはみんなで採用する、ということにもつながります。胸を張れる仕事、面白がれる仕事ができていると、自然とアウトプットしたくなる。そういう好循環を起こしていきたいです。
## これからの挑戦
上記が今年特に意識してやってきたポイントですが、来年以降も引き続き取り組んでいきたいなと思っています。
現時点で具体的に以下のようなことを考えています。
### チーム間の偶発的なコミュニケーションを活性化する
チームをまたいでシュッとなにかをやるという取り組みが増えると、よい活動が増えるのではないかという期待があります。
スタディスト開発本部ではフルリモート体制を敷いており、全国各地でメンバーが働いています。その状況で偶発的なコミュニケーションを生むことは難しいです。
その障害を打破して、オフラインとオンラインをうまく繋げた取り組みをこれまで以上に増やしていきたいと考えています。
### 外部イベントへの参加、登壇する人を増やす
コロナが落ち着き、技術系、テック系のイベントが活性化してきました。最新のトレンドや各社の取り組みを仕入れることによって、自分たちの活動を客観的に見つめる機会につながるのではないかと考えています。
自信がつくこともあれば、こういうチャレンジをしてみたいといった種が生まれることを期待しています。
僕自身も今年初めて大きめのカンファレンスに登壇し、良い刺激を受けました。
来年はカンファレンスへのスポンサーシップでこれまでのロゴやノベルティーだけでなく、ブースをだして現地に赴く人を増やすことができるようにしていきたいです。
## さいごに
このようにスタディストの開発組織では、組織の拡大に合わせて意図を持って変化を起こしている真っ最中です。
こういった動きをともに盛り上げてくださる仲間を募集しています。興味があっても興味がなくても、ぜひカジュアルにお話しましょう。