UXデザイナー歴1年でHCD-Net認定 人間中心設計スペシャリストを取得するためにやったこと

HARAGUCHI Yumiko
スタディスト Tech Blog
7 min readApr 26, 2019

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Photo by bonneval sebastien on Unsplash

こんにちは! スタディスト開発部UXデザイナーの原口です。

私事ではありますが、この度念願の「HCD−Net認定 人間中心設計スペシャリスト」に無事合格することができました!

せっかくなので、合格するためにやったことを記録しておこうと思います。そしてこの記事がこれから試験を受ける方々にとっての手助けになればと思います。

そもそも「HCD−Net認定 人間中心設計スペシャリスト」ってなに?

特定非営利活動法人 人間中心設計推進機構(HCD-Net)という団体が実施している認定制度で「専門家」と「スペシャリスト」という2つの資格があります。

これらはプロダクトやサービスの設計・開発に関わっている人たちがユーザビリティ、人間中心設計、UXデザインなどについての専門性を明らかにするための資格で、まさにUXデザイナーにとってスキルを実証できる、そしてキャリアアップのための資格ともいえます。

スペシャリストの資格を取るためには2年以上の実務経験が必要と言われています。

毎年11月下旬頃に申し込み開始、試験方法は書類審査のみ。定められたフォーマットに従って記入し1月下旬の提出期限日までに提出、3月下旬に合格発表があります。

なぜ受験したのか?

思えば昨年9月、正式にUXデザイナーとして業務を行うこととなり、弊社プロダクトのビジュアルSOPプラットフォームTeachme BizのPM磯野から「スペシャリストの資格試験受けてみたら?」という助言(試練?)を頂いたことから始まりました。

UXデザイナーの前は前職含め3年間ほどiOSアプリエンジニアとしてプロダクト開発を行っており、この時期からUI/UXについて提案したり実装したりしていたため、スペシャリスト受験資格が満たされていると判断しました。

また弊社のUXデザイナーは私一人のためUXの知識量や能力の基準が全くわからず「このやり方で正しいのか」などといった不安の毎日を送っていました。資格が取れれば社会的な評価が受けられるし、落ちたらまだまだ勉強しないといけないといった基準が欲しかったことも理由のひとつでした。

資格取得への道

1. 受験説明会に行く。

受験申込開始時期に受験説明会が東京・大阪で開催されました。これにはできるだけ参加することをおすすめします。

資格についての説明や手続方法はもちろんですが、資格取得するためのコツのようなものも教えてもらえます。

私が一番参考になったのは書類の書き方と審査方法についての説明です。これを知っているか知らないかだけでも合格率に圧倒的な差がでると確信しています。

もし距離や時間などの理由で行けない場合は、説明会の様子の動画や資料が配信されるので必ず確認すべきです。

2. 提出書類に記入する

私は筆記試験や面接がないからなんとかなるかと安心していたのですが、かなり辛かったです。スプレッドシートを開いただけでうんざりして全く作業が進みません。

さらに、前に書いていた内容を読み返したらまったく要点を得ていないことに気がついたり、要求事項に対する答えが一致していなかったりで何度も何度も書き直しました。

結局12月〜1月にかけての土曜・日曜及び年末年始をすべて潰してなんとか書ききりました。

スプレッドシートにはこれまで経験してきたプロジェクト5件に対して何をしたかを事細かに記入します。以下の画像は提出書類の一部で、黄色い部分をすべて埋めていきます。

「何をしたか」というのは具体的にはユーザビリティやHCD、UXデザインなどについて、実践に必要な能力・技能・知識について問われます。

例えば

  • 調査、評価設計能力
  • 現状のモデル化能力
  • ユーザー欲求仕様作成能力
  • 情報構造の設計能力
  • プロトタイピング能力
  • ユーザーによる評価実施能力

など13項目。これらの能力があることをスプレッドシート上で文字面だけで実証しなくてはなりません。ですのでこの書類の書き方ひとつで運命が分かれると言っても過言ではないと思います。

受験説明会で受けた説明を聞いて私が気をつけたことは以下のようなことです。

  • あくまでUXの視点でどうプロダクトに関わったかを記入する
    何をしたかの実務内容だけを書いても評価されません。どのような課題に対して何を行い、どのような結果が得られたのかまで記入する必要があります。これによりどのような能力を発揮したのかを明示します。
  • 自分自身の成長が見えるように記入する
    5つのプロジェクトを行う中で自分自身がどのように成長したか、何を経験し何に気が付いたかなどが見えるように記入しました。
    これも受験説明会で成長度合いも審査対象だと聞いたことから気をつけて記載することができました。

3. 書類を提出

当たり前かもしれませんが、提出前には書類の見直しを行いました。
書類に記入しているときは各プロジェクト毎にスプレッドシートの縦列で確認していましたが、提出前に一度横列で確認しました。

プロジェクトごとに確認するのではなく、能力ごとの確認です。
というのも審査方法は横軸だからです。

例えば「調査、評価設計能力」では各プロジェクトでどれほどの技能・知識を持ち能力を発揮できているのか?といった視点で審査されるのだそうです。

ですので審査する側の立場に立って、自分の能力を等身大で評価してもらえるように、伝わりやすい表現になっているか、能力があることを示せているかなどをチェックします。

そうしてようやく提出を終え1ヶ月以上に渡る戦いを終えました。あとは発表を待つのみとなります。

受けてよかったこと

資格を取得できたことに関しては自信がついたの一言ですが、その前にただ受けるだけでもかなりのスキルアップになったと思います。

これまで自分がやってきた実務について事細かにまとめていくため、自分がやってきたこと、やってこなかったことを知ることができました。
これからどの知識を深める必要があるのか、自分の弱点はどれか?といった課題感や強みはどこかなどといった自己分析につながったと思います。

また余談ですが、やっといてよかったことはブログを書いていたことです。1,2年前に行ったプロジェクトについて事細かに何をしたかを思い出せなかったのですが、ブログにアウトプットしていたためかなり助けになりました。自分が何をしたのか、常にアウトプットする大切さを身をもって体験しました。

次は専門家を目指すためにも実践経験を積んでいきたいと思います。

終わりに

弊社スタディストにはチャレンジしている人を積極的に応援してくれる仕組みがあります。UXデザイナーやエンジニアとしてスキルアップしたい方、世の中の役に立つツールを手がけたい方、弊社オフィスまで遊びに来ませんか?

現在スタディストでは、ビジュアルSOPプラットフォーム「Teachme Biz」を一緒に開発していくエンジニア、UXデザイナーの仲間を募集しています。興味がある方は下記サイトよりご応募お待ちしてます。

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