「感情の輪」を使ったアイスブレイク&振り返りのやり方と効果
はじめに
先日、スタディスト開発本部では、直近の採用活動の現状やこの先どう改善していくかを整理するワークショップを行いました。
本記事では、そのワークショップのアイスブレイク&振り返りで採用した「感情の輪」を使用した方法について、そのやり方や効果を解説します。
感情の輪とは
感情の輪は、円周上に配置された感情から選択することで、自信の感情を理解したり説明するのを助ける手法です。
考案者である心理学者のロバート・プルチックによるオリジナルのほか、様々なバリエーションが作られています。
バリエーションが違っても「中心となるいくつかの感情があり、そこから放射状に派生する感情が配置されている」といった点は共通しています。
感情の輪をアイスブレイクに使うメリット
Miroにもテンプレートが用意されており、それによれば、アイスブレイクに感情の輪を使用するメリットとして以下が挙げられています。
- 参加者の共感性を向上させる
- 聞き手の気持ちと活力が計れる
- 参加者全員が同じ気持ちではないと認識し、異なる感情や経験に寛容でいられる
アイスブレイクに感情の輪を使う準備
感情の輪の作成
ワークショップ自体はMiroを使用して行ったので、上述のテンプレートを参考にアイスブレイクを準備しました。
ただ、上図からも分かる通り、感情は英単語で表現されており、また画像解像度も粗く(完全に主観ですが)気分がアガらない感じだったので、テンプレートのものをもとに独自で日本語訳したものを使用しています。
※ と軽い気持ちでやってみたものの、近い意味のもの(ANGRYとRAGE、FAITHFULとTRUSTING、など)だったり、日本語では感情と結びつきづらいもの(SEXY、REJECTED、など)があったので難儀しました…
※※ とはいえ、INTELLIGENTを弊社のビジョンに由来する「知的活力みなぎる」と翻訳してガッツポーズできた箇所もあります
アイスブレイク&振り返りで使用する
アイスブレイクだけでもよいのですが、ワークショップの最後の振り返りでも使うようにしました。これは、「信号機」と呼ばれる振り返りの手法を参考に、心境の変化を可視化できるようにするためです。(以下の書籍を参考にしました)
使ってみた結果
以下のような結果になりました。
開始時点ではかなしい(青色)・怖い(紫色)といったネガティブ寄りの感情がいくつかありましたが、ワークショップを通じてポジティブな感情が増えていった様子が伺えます。
また、AFTERではポジティブな感情の中でもパワフル(黄色)・穏やか(緑色)に集まっているところは興味深い点です。(パワフル・前向きな気持ちが増えた一方、肩の力は抜けた状態になった…ということなのかなと思っています)
感情の輪を使う効果
1. 素早くアイスブレイク(&振り返り)を進められる
既に列挙された感情から選ぶだけなので、ゼロから何かを書いたりするアイスブレイクに比べて、素早く・かつ短い時間で進行できます。
実際、ワークショップは盛り上がって時間ギリギリになったのですが、この形式にしたことで、振り返りもシュッと行うことができました。
(やったことはないので想像ですが、上述した「信号機」の手法では、選ぶだけ…という簡便さは得られないので、このやり方に比べて少し時間がかかるのかなと思っています)
2. 意外としっかりと意見を共有できる
採用した本人のくせに「意外」と言うな感はあるのですが事実なので。
実際やってみると、単に列挙された感情から選択しただけにもかかわらず、各自がどのような思いでその感情を選択したのかを表明してもらうと、思っていた以上に率直な意見が出てきました。
このことは、メインのワーク・議論を活発に行う助けにもなりました。
3. BEFORE/AFTERを比較できる
これは「信号機」の手法を参考にしたことによるメリットです。
同じ形式で2回行うことで、ワークショップを通じてどのような変化があったかを、参加者間で共有しやすくなります。
注意点
ここまで(かなり手前味噌ですが)良い面を強調してきましたが、初めましての人が多い場所で使用する場合には注意が必要でしょう。
今回のワークショップは、同じ部門の気心知れたメンバーで集まったこともあり、すでに信頼関係は築かれているので、自身の感情を表明することへの障壁は低かったと想像されます。
対して、初めましての人同士では、いきなり自分の感情を打ち明けることに抵抗を覚える人もいるかもしれないので、別の手法を採用したほうがよいケースもあると考えられます。
おわりに
感情の輪を使ったアイスブレイク&振り返りについて紹介しました。
アイスブレイクを素早く行える、考えや思いをしっかりと共有する助けになる、ワークショップの前後での変化を比較できるようになる…といったメリットがあるので、もし気になったら試してみてください。
いつもの(We’re hiring! )
スタディストでは 一緒に“知的活力みなぎる社会”をつくるメンバーを、広く募集しています。
少しでもご興味がある方は気軽にご連絡ください。
上記以外でも「まずは話だけ聞いてみたい」も大歓迎です。
また、「いやいや、いきなりはちょっと…」という方は、Entrance Bookを覗いてみてください。