ライティングユニットが最初の3ヶ月でやったこと

指標をさぐる、改善のジャブを打ってみる

sakura
スタディスト Tech Blog

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スタディスト Tech Blog Advent Calendar 2023の22日目の記事です。

ライティングユニットのさくらです。
前回は「ライティングユニット、はじめました」というブログを書きました。

今回はユニットをつくったあと、最初の3ヶ月の取り組みについて、おおむね時系列順に書きます。

目次

セルフサービス指標の骨組みをつくる

まずはライティングユニットが提供しているメインサービスのひとつ、「Teachme Biz ヘルプセンター」が「健全な状態かどうか」を測る指標の骨組みをつくりました。

大雑把ではありますが、「どのあたりに着目するか」を言語化することで、関係者との目線合わせがしやすくなりました。

また、これまでは閲覧数や利用ユーザー数を細かく確認していませんでした。
骨組みをつくることで、今後ライティングユニットの提供価値、期待価値を広げていくためにどんな数値を取ればよいか明らかにできました。

この段階では骨組みをつくるにとどまり、目標値の設定は行っていません。

アクセス状況を可視化する

いきなりすべての数値を可視化するのはハードルが高いので、まずは特定の期間・遷移ルートに絞って、ざっくり数値を調べ、全体感を掴むことにしました。

数値はGoogle Analytics 4、Teachme Bizのアクセス記録、Zendeskの閲覧数など、さまざまな場所から取得しました。

結果、アクティブユーザー数に対してアクセス数の少なさが浮き彫りになり、「ヘルプセンターは今より多くのお客様に情報を届ける余地・必要がある」ことがわかりました。
数値で把握できたことは、自分のモチベーション向上だけでなく、上司やチーム外のメンバーとのコミュニケーションにも役立ちました。

継続的に指標数値を追いやすいよう、データの一部をLooker Studioでわかりやすく表現するチャレンジもしました。

アクセス状況の可視化は、セルフサービス指標の測定、目標数値の設定、改善施策の検討、施策の効果測定にとても重要です。
引き続き、Looker Studioでの可視化を進めていく予定です。

検索エンジンの状況を確認する

ヘルプセンターのTOPページにやってきた人が欲しい情報を探すための手段は「検索」「クリック」の大きく2種類です。

このうち、「検索」の状況が健全かの確認を行いました。

ヘルプセンターでは、検索エンジンにAlgoliaを使用しています。

まずはAlgolia上で「CTR(検索後の結果クリック率)」を確認しましたが、10%台と感覚値よりかなり低い数値でした。
調べていくと、検索ワード入力中も随時検索を行う設定していることで、感覚よりも母数が多くなっていることがわかりました。

【イメージ】
ma:母数に含めたくない
まにゅあr:母数に含めたくない
マニュアル:母数に含めたい

検索ログを出力し、母数に含めたいワードのみで手動でCTRを算出しなおしたところ、49.70%と「向上の余地はあるが異常に悪くはない」状態でした。

そこで、検索エンジンについてはまとまった取り組みをするのではなく、日常的にログを見てシノニムやRulesの調整を行い、じわじわと改善を進めていくことにしました。

参考にしたページ
freeeヘルプページの検索エンジンをAlgoliaに変更した話(改善編)
【保存版】ナレッジマネジメントに基づく「FAQ運用のすすめ」

数値改善のジャブ的な施策を打つ

アクセス状況を可視化すると、Teachme Biz上の「?(ヘルプ)」ボタンからヘルプセンターTOPページへの流入は一定数あるとわかりました。
一方で、「?(ヘルプ)」ボタン以外の場所からの流入は思わしくありません。

流入が思わしくないのは、需要がないのではなく、現在ある動線の場所と内容に問題があるのでは?と仮説をたてました。

そこで、他部署が使っていたKARTEを活用し、Teachme Biz上の「お客様がよく見る場所」に「望まれそうな記事」へのリンクを追加してみました。

結果、該当の記事はヘルプセンター内でもっとも閲覧される記事のひとつになりました。

「お客様がよく見る場所」に「望まれそうな記事」のリンクを貼ればアクセスされた、という事実をもとに、今後は同様のリンクの横展開を進めていく予定です。

フィードバックを得られる状態にする

各記事ページに「役に立った」「役に立たなかった」投票機能はあるものの、2つ問題がありました。

  • 記事の下の方にさり気なくあるので、気づかれない(投票数が少ない)
  • 2択のみで理由を入力できないので、せっかく投票されても打ち手につなげにくい

そこで、KARTEを使ってポップアップで目立つアンケートを表示し、回答も4択に増やす&メッセージ送信できるようにしました。

この施策のおかげで、投票数はおよそ2倍以上になりました。
元の投票機能に慣れているお客様もいるので、元の投票機能も設置したままにしています。

メッセージで投票の理由がわかるだけでなく、メッセージがなくてもKARTEで前後の閲覧データを見れば、投票の理由が推測できる場合もあり、圧倒的に打ち手を検討しやすくなりました。

KARTEを使えば「この記事だけ選択肢を変えたい」「送信後の画面にお問い合わせへの動線をつくりたい」といった柔軟なアレンジもできます。
「よりFBを得る」観点での施策も随時検討し、一層利用者理解をすすめていきたいと思います。

まとめ

最初の3ヶ月の活動から、いずれも今後の施策検討につながる多くの気づきを得ることができました。

これを土台に、ライティングユニットの提供価値・期待価値を加速度的に上げていけるよう来年も引き続き頑張ります!

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